小児科を目指す看護師の中には、「子ども好きだから」という理由を持っている人が多いと思います。
もちろん子どもと接するのが得意・好きであることは、小児科で働く上で大きなアドバンテージになります。しかし忘れてはいけないのは、「小児科に来るのは、時に重大な疾患を持った子どもである」ことです。特に大学病院での小児科は、小児がんや心臓疾患、その他の重大な疾患を持つ子どもたちが入院しています。そして重篤な病気で命を落としてしまう子どもと最も身近に接するのも小児科なのです。子どもが好きで小児科に来てしまったからこそ、重病で苦しむ子どもに接する機会が多いことで、無力感に苦しんだり気持ちがついていけなくなった看護師は珍しくありません。
また、小児科向きの看護師とは、フィジカルとメンタル、双方にタフさ・忍耐力がある人です。子ども相手だからこそ、小児科の看護師は大人相手以上に体力を使うケースがあります。泣いている子を抱っこしてあやすなどのケア行為が必要なタイミング、全力で暴れる子どもを押さえて処置するタイミングもあります。言葉は通じていても、なかなか聞き分けてくれない子どもとのやりとりは、基本的に子どもが可愛いと思っていてもストレスになりがちで忍耐力が必要です。
しかし子供好きであればこそ、子どもの成長を身近に見守れること、成長を感じられることは喜びにつながります。年齢に応じた症例を学べば、それだけ対応できるケースも増えていく、自身の成長・学びも促進していける現場が小児科です。